平沼赳夫元経済産業相(70)、与謝野馨元財務相(71)らが10日、都内の ホテルで会見を開き、5人の衆参両議院による新党「たちあがれ日本」の結成を正式発表した。平均年齢69?6歳の新党を“シルバー新党”と揶揄(やゆ)する世論に反発するかのように、与謝野氏は米国の詩人、サミュエル?ウルマンの詩「青春」を朗読。異例のパフォーマンスで、若さと情熱をアピールした。「反民主、非自民」を掲げ、“第三極”を目指す。
応援団長(発起人のひとり)の石原氏を加えた6人が壇上にズラリと並んだ。まるで懐メロを奏でる往年のグループサウンズのよう。代表に就任した平沼氏は「政治生命を懸けて同志と力を合わせ頑張っていきたい」と表明。続いて、共同代表の肩書が付いた与謝野氏の口から出てきた言葉は「青春」だった。
故?松下幸之助氏も座右の銘にしたというウルマンの詩を淡々と朗読。「青春とは人生のある期間をいうのではなく心のあり方をいう…人間は年齢を重ねたときに老いるのではなく、理想をなくしたときに老いるのだ…」。20歳年上の政治の師、中曽根康弘元首相(91)の友人から送られた詩。照れずに読み上げる姿は、青春の巨匠、森田健作千葉県知事(60)も真っ青だろう。
3年前、平沼氏は脳こうそくを、与謝野氏は喉頭(こうとう)がんを克服して政界に生還した。大病を乗り越えた70代の青春宣言だ。古巣?自民党からは背信行為とみなされ、辞職要求が出されている与謝野氏は、「これまで職人かたぎで黙々とやってきた。たった一日のわがまま。ぜひお許しいただきたい」と話し、最後の挑戦に向けて「ファイナルファンタジーだよ」。プレーヤーが世界を救うゲームにたとえ、若さをアピールした。
週明けにも、夏の参院選候補者の人選に本腰を入れる。比例代表と東京、神奈川、埼玉、大阪など都市部の選挙区で候補者を擁立する方針。現時点で擁立を検討しているのは、元自民党衆院議員で国土交通相などを務めた中山成彬氏(66)と、昨夏の衆院選で無所属で落選した橋本大二郎?前高知県知事(63)。平沼氏は「来るべき選挙で活躍してもらいたい」と述べており、比例代表で出馬する見通しだ。また、自身と会派を組む自民党離党組の小泉龍司、城内実両衆院議員に関し、「『後援会の了承を得られれば参加したい』と言っている」と語り、今後の合流に期待を示した。
◆サミュエル?ウルマン(1840?1924年)米国の詩人、教育者、実業家。ドイツ生まれのユダヤ人で迫害を避けるため渡米。荒物商をしながら文筆活動をした。詩「青春(YOUTH)」は、80歳で自費出版した「80歳の歳月の高見にて」に収められている。
◆「たちあがれ日本」アラカルト
▼代表 平沼赳夫
▼共同代表 与謝野馨
▼他の党員 園田博之、藤井孝男、中川義雄
▼応援団長 石原慎太郎
▼結党趣旨 〈1〉打倒民主党〈2〉日本復活〈3〉政界再編
▼党綱領 〈1〉自主憲法制定〈2〉持続可能で透明性の高い行政を実現〈3〉持続可能な社会保障制度の実現と経済成長力強化と雇用の創出〈4〉資源戦略の確立〈5〉環境型先進国家の実現〈6〉国を愛する教育の振興〈7〉「選挙のための政治」の否定
▼ロゴマーク 日の丸、海、富士山をイメージし「荒波をかきわけて進む」との思いを込めた
▼英語表記 the Sunrise Party of Japan(直訳すると「日本の日の出党」)
【関連記事】
森田知事、酒井被告に「まず頭下げるべき」
森健知事、後輩心配「法子連絡して」
「たちあがれ日本」結党、与謝野氏「反民主、非自民」
石原都知事来たけど若手来ない…与謝野?平沼新党
平沼赳夫 、 与謝野馨 、 財務相 を調べる